Placemaking Lab for Livable Cities
Placemaking Lab for Livable Cities

「にぎわい」とはなんだろう

プレイスメイキングの仕事をしていると、行政関係の方を中心に「にぎわいづくりの企画」を求められる状況にしばし直面します。

広辞苑によると、「にぎわい」とは、「にぎわうこと」であり、「にぎわう」とは、①「富み栄える、豊かになる」という意味と、②「人出が多い」という意味に分けられるそうで、文脈的には「人出が多い」状況をめざしているのでしょう。

人出が少ないより多い方がよい、という感覚は分かる気もするのですが、どの程度の人出があればよいのかは、シチュエーションによって異なります。人々がゆったり過ごせる公園をめざしているのか、笑い声がきもちよく聞こえてくるような飲食店をつくるのか、とにかく多くのものが売れる市場にしたいのか、めざす業態によっても違いますし、土地柄や時間帯によってももちろん違います。

このため、どのような「にぎわい」をめざしているのか推し量るために、そもそも「にぎわう」ことによって何を実現したいのかを、まず聞き取っていくことになります。

残念なことに、なぜ「にぎわい」をめざしているのかも曖昧なケースも多いのですが、その理由をよく考えてみると「人出が多いこと」にプラスのイメージをもっている、すなわち「人出が少ないこと」にネガティブなイメージをもっていることが分かります。

しかしながら、目的や場所の特性によっては、そもそも「にぎわい」を作ることが難しかったり、「にぎわい」をつくる必要がなかったりすることもあります。

プレイスメイキングは、その場の可能性を最大限に引き出すための活動であり、「にぎわいづくり」とイコールではありません。

「にぎわい」をつくらないプレイスメイキングとしては、夜間の宿泊など一部の利用者が比較的高額の利用料を支払う方法、特定の方が学校のように通う方法やその場所の将来に投資する方々を集める方法などがありそうです。

難易度が高いですが、「にぎわい」をつくらないプレイスメイキングの事例を、リバーワークスとして作っていきたいと考えています。

文/村上 豪英