Placemaking Lab for Livable Cities
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島根県の海士町のおはなし

みなさま、こんにちは。リバーワークスの野中です。

私はもともと、中学校の理科教員として働いていて、転職を経てリバーワークスへ入社することとなりました。どうして転職をしたのか聞かれることが多いのですが、答えはシンプルで、場づくりがしたい!という気持ちを持っていたからです。今回は、私がプレイスメイキングに関心を持つきっかけである島根県の海士町(あまちょう)のおはなしと共に、プレイスメイキングをするうえで大切にしていることについて書いてみました。一度読んでいただけたら嬉しいです。

私がプレイスメイキングを知ったのは、大学2回生のときです。もともと、コミュニティスペースに関心があった私ですが、ひょんなきっかけで、島根県の離島にある「海士町(あまちょう)」というまちへ行きました。海士町には高校が1つしかないのですが、人口の減少から、島唯一の高校「隠岐島前(おきどうぜん)高校」も廃校を迫られる状況だったそうです。そこで、子どもたちの島への愛着を育てて、廃校を取りやめよう!という島民たちの想いから、これまでにたくさんの取り組みが生まれてきました。「島への愛着を育てる」と言っても、具体的にどんなことをしたら良いのか。そんな話し合いが幾度となく行われて、島前高校は、今では日本全国から入学希望者が集まる高校となりました。

具体的に、海士町ではどんなことが行われているのか、2つ紹介します。1つは、隠岐国学習センターという公営塾。英語や数学のいわゆる教科指導のほかに、「夢ゼミ」という授業があります。自分の好き・得意を見つめながら、多様な人と関わり、自分の夢を叶えるステップを考えていく授業です。海士町というまちを舞台に、自分の夢につながるためのアクションを、地域のなかで起こします。

2つめは、あまマーレというコミュニティスペースです。あまマーレではまちで子育てをしているママさんが集まったり、古道具を持ち寄って交換会をしていたり、時に実験教室が開かれていたり。みなさんが、思い思いの楽しみ方を提案できる場所で、時には夢ゼミの実践の場となっています。

画像:あまマーレ内の掲示板より

今では、たくさんの魅力的な教育が行われている海士町。海士町というまちを、教育をとおして、みんなにとって素敵なまちに。壮大に聞こえるこの取り組みの中で、島のみなさんが常に考えていたのは、「小さなことから始めよう。小さなことこそこだわろう。そして、地域と共に育っていこう。」ということだそうです。海士町のみなさんは、教育は教えて育つのではなくて、ともに育つことだよ、とよく口にしていました。小さなことを試してみる、こだわって追求する、私も、そんなことを大切にしながら、みなさんにとって愛着のある場を、一緒に育てていきたいと思っています。